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宿泊事業(民宿、簡易宿所、サービスアパートメント) 空き家を活用して宿泊事業を行うポイント


宿泊事業(民宿、簡易宿所、サービスアパートメント) 空き家を活用して宿泊事業を行うポイント

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外国人観光客2020年4,000万人計画

近年、外国人観光客が増えてきています。10年前、日本にやってくる外国人観光客数はわずか600万人ほどでしたが、その後は毎年2から3割ずつ増えて、2016年には2,000万人を超え、2018年には3,000万人を超えました。現在、毎日9万人が日本にやってきてこの国のどこかを旅行している計算になります。来年はオリンピックイヤー。2020年の訪日外国人旅行者数の政府目標はなんと4,000万人となっています。

有名な観光地はどこも外国人で混雑し、地方のいなか町でも外を歩いているのは外国人という時代になりました。

同時にインバウンドで訪日する観光客の楽しみ方も変わりつつあります。昔は「爆買い」といった言葉が流行したように、日本に来てはとにかく有名観光地を巡って、同時になるべくたくさんの買い物と食事をする、といった団体弾丸旅行が主流でしたが、最近はゆっくりと長い時間滞在して、日本の風景や日常を静かに楽しむスタイルも増えてきました。

泊まるところも同様です。昔は宿泊するといえば旅館・ホテルでしたが、現在は民泊をはじめ、バケーションレンタルといった新たな宿泊スタイルが出てきました。筆者も一棟貸しのゲストハウスを運営していますが、最近は、そこで何気ない日本の日常を過ごすように旅行を楽しんでいる方が多いように感じます。

一方、最近増えているのが「空き家」です。空き家とは使うことも、売ることも、貸すこともできなかった、落ちこぼれの「負」動産です。使い道のない家は解体するのが定石ですが、ちょっと待ってください。

先に述べたインバウンドの流れに乗れば、解体の前に有効活用も考えられるのではないでしょうか。筆者の空き家も一棟貸しのゲストハウスとして実にさまざまな国からの観光客に使ってもらっています。「負」動産が「富」動産になるのです。たとえ儲からないとしても、税法で認められる範囲で必要経費として計上することができます。

宿泊事業の2種類の営業方法を押さえよう

  • 民泊
  • 簡易宿所

民泊は、住居専用地域でも開設することができますが、あくまで「住宅」という建前があるので、営業日数は180日までに制限されています。やり方にもよりますが高稼働を目指すならこの日数制限が制約となります。しかし、都市の中心部やよほどの観光地でなければ、週末を中心に週に1~2回程度の利用でしょうから問題になることはありません。旅館やホテルのように管理人が一緒に宿泊できるなら、防火設備も拍子抜けするくらい簡易なもので問題なく、あくまで住宅ですから固定資産税の住宅特例が適用になるのも見逃せません。

これに対して簡易宿所は、1年365日フル稼働させることができる一方、許認可関係、特に防火関係の法令に時間と費用がかかります。簡易宿所はれっきとした宿泊施設になるため、住居専用地域では営業できず、固定資産税が住宅の数倍に跳ね上がります。

そして今年、旅館業法が改正され、戸建て住宅やマンションの1室でも「ホテル・旅館」として営業できる道も開けました。身ひとつで暮らすように宿泊できるサービスアパートメントなど多種多様なスタイルの宿泊サービスの提供が可能となるよう、法律も整備されてきています。

宿泊事業を運営するメリット

空き家を活用して行う宿泊事業の運営には、以下のようなメリットが挙げられます。

  • 賃貸住宅より収益性が高い
  • 賃料未払いのリスクがなく、資金繰りも楽
  • 物件の維持が容易

それぞれ詳しくみていきましょう。

①賃貸住宅より収益性が高い

空き家を解体する前に有効活用の一環として宿泊事業を運営するメリットは、なんといっても賃貸住宅より収益性が高いことです。これは不動産事業の一般的な鉄則で、1か月単位よりも1日単位のほうが賃料を高く設定できるためです。しかも宿泊の場合は1人当たりの賃料(宿泊料)が設定できるので、これも収益性に寄与します。

②賃料未払いのリスクがなく、資金繰りも楽

そして、賃借人を保護する借地借家法の適用がないため、賃料未払いのリスクを軽減でき、クレジットカードの事前決済機能がある宿泊サイトで施設を売り出せば確実に現金収入が得られます。回収も宿泊日当日ないし宿泊後10日で宿泊サイトから口座振り込みされるため、資金繰りも楽になります。

③物件の維持が容易

3番目に、物件の維持管理がしやすいことが挙げられます。民泊だと、設備更新や改修は宿泊者がいない間に行えばよく、物件に対する維持管理が比較的容易です。これが普通の賃貸借ですと、テナントが入居している間は大家といえども立ち入りも制限され、原状回復義務があるとはいってもテナントの退去後に予想外の破損が見つかることがあります。

宿泊事業を運営するデメリット

一方で、宿泊事業についてはデメリットもあります。

  1. 宿泊用設備を用意する
  2. 防火設備が必要
  3. 景気の影響を受けやすい

これらもそれぞれ見ていきましょう。

①宿泊用設備を用意する

宿泊事業を行うには、まず宿泊施設として提供するべき設備を整えることが必要です。施設のコンセプトにもよりますが、多くの場合、宿泊者はホテルや旅館とは一味違った体験を期待しますので、布団、毛布、シーツをはじめ、ダイニングにはテーブルとイス、キッチンには電子レンジ、冷蔵庫や食器なども必要になるでしょう。洗濯機、タオル、シーツなどのアメニティも重要です。暇つぶしのゲーム類も喜ばれるでしょう。当然、宿泊者が退去した場合の清掃、宿泊の管理といった手間もかかります。

②防火設備が必要

次に、防火基準をクリアすることが必要です。このサイトの読者は解体業の副業として宿泊事業をお考えの方が多いでしょうから、家主不在型の民泊や簡易宿所を開設したとするとて、消火器、火災報知器といった設備の設置と消防署とのやり取りに意外と時間とコストがかかるでしょう。もちろん、旅館業法、建築基準法に加え、その地域の条例、マンションなら管理規約まで調査して基準をクリアしなければならず、町内会とも調整が必要になるかもしれません。

そして、景気の影響を最も敏感に受けるのが宿泊業です。現在はアベノミクスと東京オリンピックで訪日観光客は増えているとされていますが、観光業の移り変わりは早く、ちょっとした為替の変動、外交問題の発生をはじめ、天気さえも真っ先に稼働率や収益に影響を与えることになります。それから、施設間の競争もあります。景気の変動などにより客室稼働が下がると、すぐに価格競争に巻き込まれる可能性が高いことも覚悟しなければなりません。

解体を考える建物は、古民家など日本情緒あふれる建物が多く、建物の個性に合わせた魅力的な宿泊を提供できる可能性があります。そして宿泊者との交流を通じた思い出を作ることができるのも魅力の一つです。解体する前に有効活用のひとつとして宿泊事業を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

クラッソーネ運営

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