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有効活用の手法 – 空き家を有効活用する方法とは?

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前回、空き家が増え社会問題になっているという記事をご紹介しました。

2019年4月に発表された「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国の総住宅数は6,242万戸あり、そのうち空き家の数は846万戸で、空き家率は13.6%となんと住宅の約7件に1件が空き家となっています。

全国の空き家の数は846万戸!?空き家問題と住宅資産活用の考え方

そこで今回は、空き家をお持ちの方に有効活用の手法をお伝えいたします。

空き家の発生理由はライフスタイルの変化

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空き家が発生する理由として、人々のライフスタイルの変化が根本的な理由として考えられます。
多くの方が生まれた家や街で幼少期を過ごしますが、親の転勤に加え進学や就職で家を離れることが当たり前になり、移住した先で新しい家庭を設けて生活の基盤を作ると、なかなか実家に帰ることはありません。

すると、両親が亡くなってその実家を相続しても誰も住まないことになります。

また両親も、子どもの独立を機に実家を残しながら都心のマンションに移り住んでアクティブなシニアライフを過ごし、さらに高齢化しても老人ホームに入居するなどして元の家に戻ろうとしない事例も多くみられます。

このように一部の地域を除き、歳を重ねることで住居を移すライフスタイルが当たり前になった現代では空き家の発生は不可避といえるかもしれません。空き家を抱えることになった場合、その空き家の使い道としては以下の3通りが考えられます。

  1. 管理をしつつ保有していく
  2. 人に貸す・セカンドハウスとして活用する
  3. 保有も管理も大変なのでいっそのこと売却する

特に空き家を空き家のまま持ち続けると、“特定空き家”に指定されることもあり注意が必要です。
以下でそれぞれの方法のメリット、デメリットをみていきましょう。

空き家の保有

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空き家をそのまま持ち続ける保有も広い意味では活用あるいは利用と言えます。
実際に「とりあえずそのままにしておく」といった保有をしている人は多いと思いますが、その大きな理由はほかの方法が見つからないことや、日常の生活が忙しくて手が回らないことが考えられます。

保有し続けることに関しては大きな判断や決断をしなくてもいいですが、維持管理のコストはかかります。
そのコストとは固定資産税や都市計画税に加え、空き巣の侵入を防ぐための防犯対策や空き家管理サービス利用費、火災保険や地震保険などです。
さらに、たまに現地に見に行く場合でも現住地が空き家から遠ければ交通費もかかり、北海道などの寒冷地などでは適度に水を流し暖房を入れないと、ひと冬で給排水設備や暖房設備がダメになることもあります。

保有している間は「この空き家をどうしようか」と常に気になり、「特定空き家」に指定されれば税金があがり、最終的には行政代執行で取り壊されてしまうなんてことを考えるとストレスになるかもしれません。

このように、“保有する”といことは何もしなくていいというメリットがありますが、その後に生じるデメリットは想像以上に大きいです。
したがって、保有は次の活用や売却のための準備期間と考えてなるべく早い決断を行い、保有期間を短くすることがいいでしょう。

空き家の活用

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空き家の活用方法のひとつには、建物を取り壊さないで賃貸する方法があります。
ある程度の状態を保ち、ニーズがある立地条件の家ならば、清掃をして比較的簡単な手間をかけるだけで貸し出すことも可能です。

この場合のメリットとしては、投資額が少なくてすむことや、愛着のある家を残せるという点があります。
一方デメリットとしては、まだ使えるので直す必要がないと感じる箇所も、人に貸すにはリフォームやリノベーションが必要となり、その費用が予想以上にかさむこともあることです。

さらに、建物そのものも老朽化しているため、リフォーム費用が建物の残存期間内にきちんと回収できるかも心配な点ですし、中古の賃貸市場もまだまだ不安定な側面があります。

それらを検討した結果、費用に見合わない場合には、建物を取り壊して、戸建賃貸や高齢者向け介護施設などの今後も安定的な需要が見込める施設にして、土地活用をはかることも検討すべきだと思います。

空き家の売却

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「保有するだけでなく活用もしてみたがうまくいかない」「取り壊す費用もない」という保有者もいれば、「自分では分からないがまだ建物の価値はあると考えられるので何か新しい使い方があるはず」と考える保有者も多いと思います。

そのような場合には思い切って、売却するという判断も大切です。
売却という選択肢は土地活用とは言い難いですが、土地売却から得たお金の有効活用を考える必要があるので、広い意味では資産活用と言えるかもしれません。

もちろん土地の需要が強く、さらに更地化したほうがより高値で売却可能と判断できるなら、空き家を解体して更地化して売却することも可能です。 なお空き家の譲渡所得の特例適用は、新耐震基準を満たした建物の譲渡が要件となります。
したがって、現実的には古い家を取り壊すことでしかこの適用を受けられないことから、税制上でも更地化して売却することは流通活性化の大きな方法として期待されているようです。

売却に関しては土地価格が経済や社会情勢の影響を受けて変動するのでその実行のタイミングが難しく、損得勘定以外に自分の祖先や自分が住んでいた家を自分が売ってしまうことに抵抗感を感じることがデメリットとして挙げられます。
しかし、そのお金を自分と自分の子孫のために有効活用できることがメリットと言えるのです。

自分にとってベストな方法を選択する

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以上のように空き家の使い道のメリットやデメリットを検討しました。
当たり前ですが、それぞれの方法に一長一短がありベストな方法はありません。

したがって自分がどれかを選び、それが自分にとってベストな方法であると信じて実行することが大切だと考えます。

 

 

 

田井能久

田井能久

不動産コンサルタント 不動産鑑定士として25年のキャリアを持つ。訴訟や調停、並びに相続等の税務申告のため の鑑定評価書の作成が得意。 最近はマレーシアを中心としたビザの取得と海外移住のサポ ートを通して、トータルな資産コンサルティングも展開している。

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