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長屋の切り離しの注意点は?メリット・デメリットから事前準備まで解説


                 

長屋を切り離したい場合は、まず現実的に行えるかどうか検討が必要です。メリット・デメリットを把握した上で、長屋の切り離しの際によくあるトラブルや事前準備についてチェックしておきましょう。ここでは、長屋の切り離しのメリット・デメリットから注意点、事前準備まで詳しくご紹介します。

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そもそも長屋とは

長屋とは、2戸以上の住宅が連結している建物のことです。共同住宅とは異なり、玄関や階段、廊下などは共有していません。現代では長屋の住宅が建てられることはほとんどありませんが、まだまだ東京や大阪、京都などには長屋が残っています。

長屋の切り離しとは

長屋の切り離しとは、長屋の壁を取り払って1つの住宅にすることです。長屋は1枚の壁を隣の家と共有しているため、自分の都合だけで勝手に壁を取り除くことはできません。このように特殊な事情があることから、長屋の切り離しの際はさまざまなトラブルが起きる可能性があります。

長屋の切り離しのメリット

長屋の切り離しを検討する際は、そのメリットとデメリットをチェックしておきましょう。トラブルが起きるリスクが高いため、長屋を切り離すことにそれほどメリットを感じられないのであれば、無理に行わない方がよいかもしれません。まずは、長屋を切り離すメリットから詳しく見ていきましょう。

自由に改築できるようになる

長屋の場合、リフォームやリノベーションの際に隣の家に干渉してしまい、思うように改築ができないケースがあります。長屋を切り離して、隣の家と別々に壁を作ることができれば、リフォームやリノベーションの際に干渉してしまう心配がなくなります。思い描くリフォームやリノベーションを一切の懸念なく実行したい場合は、長屋の切り離しを検討しましょう。

住宅の強度が上がる

長屋の切り離しの際に基礎部分を作り直すことで、住宅の強度が上がります。長屋であることを踏まえると、築年数50年以上が経過している可能性が高いので、耐震基準を満たしていない可能性もあります。長屋の切り離しの際に耐震工事も同時に行うことで、トータルコストを押さえられるでしょう。

長屋の切り離しのデメリット

長屋の切り離しには、次のようなデメリットがあります。

費用がかかる

長屋の切り離しには、建て替えよりも費用がかかる場合があります。壁を切り離す際は、基礎部分の調整や壁の新設などが必要です。壁の修繕費用に加えて、耐震強度が低下してしまった場合の対応なども必要になれば、多額の費用がかかるでしょう。

居住スペースが狭くなる

壁を切り離し、両方の家に壁を新設すると、以前よりも居住スペースが狭くなります。これは、長屋の建て替えのときだけに起こり得る問題ではありませんが、前面の道路の幅が4m以下の場合は、それだけ家の位置を後退させなければなりません。居住スペースが狭くなっても、長屋を切り離したいのであれば前向きに検討してもよいかもしれません。

長屋の切り離しの事前準備

長屋の切り離しを行うための事前準備についてチェックしておきましょう。手順を誤ると、後で大きなトラブルが起きる恐れがあります。長屋の切り離しの事前準備は次のとおりです。

1.所有者全員の許可を取る

長屋を切り離す際は、長屋の所有者全員の許可を得る必要があります。長屋は1つの屋根を複数の世帯で共有しているため、勝手に切り離すことはできません。もし、1人でも同意を得ずに切り離しを進めてしまえば、区分所有法の違反になります。

2.費用の支払いなどの説明をする

解体工事業者に見積もりを依頼する前に、長屋の切り離しにかかった費用の扱いや工事期間中の取り決めなどをしましょう。長屋を切り離したい人が費用を支払うことが基本ですが、良好な関係を築けており、所有者全員が切り離しを希望しているのであれば費用を出し合うのもよいかもしれません。

ただ、所有者全員と良好な関係を築けており、日頃から関わりがあるケースは稀ではないでしょうか。4人中3人が良好な関係を築けていても、残りの1人と仲が悪い場合は費用を出し合うことを拒否される可能性があります。そのため、「長屋を切り離したい」と言い出した人が費用を全額支払うことが一般的です。

3.長屋の解体業者に見積もりを依頼する

長屋の切り離しができる解体業者に見積もりを依頼しましょう。複数の解体工事業者に見積もりを依頼して、費用を比較してみてください。また、解体工事の実績や評判、古材の買取の有無などもチェックしましょう。

長屋の切り離しの費用を所有者で出し合う場合、できるだけ安い解体工事業者を選ぶべきとの意見が続出するかもしれません。その際は、解体工事業者を選ぶ際は実績や評判も見る必要があることを伝えることが大切です。

4.作業開始

解体工事が始まると、長屋の共有している壁がある部屋には入れなくなります。壁を作るのにかかる日数を踏まえ、隣人の都合を確認しておきましょう。作業期間中は、騒音や粉塵などのトラブルが起こる可能性があります。十分な対策はできているか、法律で定められた工事の時間帯を守っているかなどを確認してください。

5.引き渡し

長屋の切り離しが完了したら、作業内容に問題がないか確認して引き渡しとなります。新設した壁に傷や汚れがある場合は、補修してもらいましょう。工事の過程で付いた傷や汚れは解体工事業者が責任を持って補修してくれるはずです。

長屋の切り離しでよくあるトラブル

長屋の切り離しは、自分だけではなく隣人にも関係するため、さまざまなトラブルが起こり得ます。事前にトラブルを予測して対策できれば、トラブルが起きるリスクを抑えられます。長屋の切り離しでよくあるトラブルは次のとおりです。

所有者の許可を得られない

長屋の所有者に切り離しの許可を求めたところ、話を聞かずにとにかく拒否されたという事例は多いでしょう。日頃から良好な関係を築けていない場合は、切り離しに反対されるのは仕方のないことかもしれません。仲が悪い人から「あなたの家の壁を壊して新設する」などと言われた場合、反対するのは自然なことでしょう。

隣人に断られた場合、時間をかけて話し合うのも1つの手段ですが、「しつこい」「迷惑」などと言われ、話を聞いてもらえない場合もあります。どうしても許可を得られない場合は、切り離しを諦めるしかありません。弁護士を通じて話し合うのも1つの方法ですが、印象が悪くなるリスクがあります。

後から反対された

長屋の切り離しの許可を得られてからしばらくして、やはり反対されるケースもあります。「許可を得てから何らかのトラブルが起きて関係性が悪くなった」、「過去のトラブルを思い出して、切り離しを許可するのが嫌になった」などが考えられます。

後から反対されるかどうかは事前に予測が難しいでしょう。やはり、日頃から良好な関係を築いておくことが重要と言えます。

切り離しが難しい構造をしている

稀ではありますが、構造上どうしても切り離しが難しいケースがあります。解体の難易度が上がると、それだけ解体費用も高くなります。解体工事の期間が長くなることで、他の所有者から切り離しを断られるかもしれません。

切り離しが可能かどうかは現地調査をしなければわからないので、見積もりが出るまでは長屋の切り離しができるかどうかわからないのです。

補修の方法がなかなか決まらない

新設する壁の素材がなかなか決まらず、完了が遅くなる場合があります。壁の素材によってメリットとデメリットが異なるため、隣人と考え方が異なる場合は壁の素材選びが難航するでしょう。

解体工事の苦情が入った

解体工事の着工までスムーズに進んだものの、作業中の騒音や粉塵などでトラブルが起きたというケースは少なくありません。また、屋根を切り離した後の防水対策が不十分であることが原因で、雨漏りが起きて苦情が入る場合もあります。

解体工事の途中のトラブルは、工事の中止を求められてしまうリスクがあるので十分に注意が必要です。騒音や粉塵、雨漏りの対策について業者に確認しておきましょう。

長屋の切り離しのトラブルを防ぐ方法

長屋の切り離しのトラブルを未然に防ぐために、次のように対策しましょう。

事前の説明と交渉を十分に行う

長屋の所有者には、可能な限り丁寧に説明しましょう。長屋を切り離したい理由、費用を自分が全て出すこと、作業中の騒音や粉塵のトラブルの対策、業者の選定方法など、より多くの情報を伝えると、合意を得られる可能性が高まります。

また、専門家による事前調査を行えば、説明の内容への信頼性が増すので、さらに合意を得られやすくなります。

専門家に事前調査を依頼する

土地家屋調査士や建築士などに事前調査を依頼し、耐震の状況や壁の傷、家が水平になっているかどうかなど、さまざまな情報をチェックしておけば、切り離しの後に「工事の影響で家がゆがんだ」といったクレームに対処できます。

信頼できる解体業者を選ぶ

解体工事業者の質が低いと、騒音や粉塵、解体後の雨漏り、廃材の散乱、作業員が大声で話したりタバコをポイ捨てしたりするなど、さまざまなトラブルが起こる恐れがあります。解体工事の質が高く、マナーができているかどうかチェックしましょう。評判は、口コミサイトや知人からの情報などを参考にしてみてください。

また、電話対応が悪い、とにかく契約させようとするなど、対応面にも注目しましょう。事前の説明が不十分、見積もり書に費用の内訳が記載されていないといった場合も警戒が必要です。

信頼関係を築いておく

長屋の切り離しの際の隣人とのトラブルを防ぐために、日頃から信頼関係を築いておきましょう。挨拶はもちろんのこと、おすそ分けをしたり世間話をしたりと、友人のような関係を築いておくことが大切です。

確実に補修する

長屋を切り離す際は、隣の住宅の内壁が外壁へと変わります。そのため、外壁の補修工事が必要です。外壁は、耐震性や防水性、防火性といった機能性はもちろんのこと、見た目も切り離す前と同等に整える必要があります。

この補修工事が不十分だと隣人からクレームが入るので、確実に補修することが重要です。

素材の違いを把握しておく

長屋の切り離し後に行う外壁補修には、トタン外壁・モルタル外壁・サイディング外壁・ALC外壁などを使用します。それぞれメリットとデメリット、費用が異なるため、業者から詳しい説明を受けて選ぶことが大切です。

複数人で費用を出し合う場合、素材の選び方で意見が対立する可能性があります。その場合は、「○○を優先するのであればコレ」といった選択肢を挙げると話がまとまりやすくなるでしょう。場合によっては解体工事業者にこれまでの経験に基づいて素材を提案してもらうのもよいかもしれません。

長屋の切り離しを依頼する解体業者の選び方

長屋の切り離しを依頼する解体業者は、次のポイントを押さえて選びましょう。

対応が丁寧

解体工事業者の対応が丁寧であることは、長屋の切り離しを成功させるための前提条件です。対応が悪い業者だと、隣人の許可を得られないリスクが高まります。業者の中には、施工主に対して丁寧でも、隣人に対しては態度が悪い業者もいます。

対応が丁寧か確認すると共に、隣人にも変わらない対応をするようにお願いしておきましょう。

長屋の切り離し解体の実績が豊富

長屋の切り離しは基本的に手作業で行うため、熟練の技術が必要です。切り離し解体の実績からは、技術力の高さを確認できます。実績を尋ねづらい場合は、長屋の切り離しに対して不安を抱えていることを正直に話せば、実績や経験年数などを聞き出せるかもしれません。

信頼できる業者と取引している

解体工事業者が担当するのは、切り離すことだけです。補修工事は大工や工務店などに依頼する必要があります。この場合、解体工事業者が間に入ってくれることがほとんどですが、解体工事業者が取引している業者に依頼することになります。

解体工事業者の質が高くても、取引している大工や工務店の質が高いとは限りません。そのため、取引先の質は問題ないか尋ねてみることが大切です。

まとめ

長屋の切り離しは難易度が高いため、信頼できる解体工事業者を選ぶことが重要です。まずは、複数の解体工事業者に見積もりを依頼してみてはいかがでしょうか。解体工事の一括見積もりサービスの「クラッソーネ」は、全国各地の信頼性が高い解体工事業者から一括で見積もりを取得できます。ぜひ、ご利用ください。

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