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石綿・アスベスト解体工事の失敗を防ぐ全情報まとめ

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目次

アスベストとは

  • アスベスト(石綿)とは何か
  • アスベストの危険性と健康被害
  • アスベストの規制と法律
  • 目で見るアスベスト含有建材
  • アスベストとロックウールの違い

アスベストの見分け方

  • アスベストにはレベルがある
  • アスベストレベル1(発じん性が著しく高い)
  • アスベストレベル2(発じん性が高い)
  • 撤去費用の違い

アスベスト処理の流れと処分費用

  • アスベストの現地調査
  • アスベストの成分分析
  • 役所への届出
  • 近隣への事前告知
  • 囲い込み・封じ込め・除去
  • 積み込みと運搬
  • 無害化もしくは埋め立てによる処分

アスベストを含む解体工事の注意点

  • 意識が低い解体業者が多い現実
  • 見積時には石綿作業主任者の在籍を確認
  • 複数社の意見を聴くことも重要
  • 発注者責任が問われることも

まとめ

  • 正しい理解の元で責任ある発注を

アスベストとは

アスベスト(石綿)とは何か

かつては夢の建材として重宝

かつては安価で万能な建築工業材料として重宝されてきたアスベスト。
熱や摩擦に強く、セメントなどとも混ざりやすいので加工しやすく、耐火材や断熱材、絶縁体としても効果的で、屋根や天井、壁を作る材料として多く使われてきました。
建物を建設する際に必要な性質をいくつも兼ね備えている上に安価なので、20世紀までは日本も含めたくさんの国で使われてきました。

現在はほとんどの国で使用禁止

しかし、その危険性が世界中で指摘されるようになった現代では、アスベストと聞けば有害物質というイメージのほうが強いのではないでしょうか。
日本で使用されているアスベストの具体的な鉱物名は『蛇紋石(じゃもんせき)』『角閃石(かくせんせき)』と言います。それらが繊維状に変形して綿のようになっていますが、あくまで鉱物なので燃えたり変質したりしません。
しかし、その性質こそが人体に悪影響を及ぼすこととなりました。

アスベストの危険性と健康被害

気づかぬうちに体内に蓄積

アスベストの繊維が非常に細かいことで、他の建材とも混ざりやすく加工しやすいというメリットを生みましたが、それこそが人体にとって危険を及ぼすものでした。
肉眼で確認できないほどの細かな繊維であるため、壁や天井などに使われているアスベストの繊維がはがれて空中を浮遊し、そこで暮らしている人、働いている人、アスベストを使った建設現場で働く人たちは知らず知らずのうちにアスベストを吸い続けることになります。
微細な繊維は肺のいちばん奥の肺胞まで辿り着き、細胞の壁に刺さります。
アスベストは鉱物であるため体内で消化されず、吸い込むと体内に入り込んでそのまま蓄積し続けます。

代表的な健康被害 塵肺

人体に蓄積されたアスベストは、15年~40年の潜伏期間を経て、その量が人体の許容範囲を超えた時に様々な病気となって現れます。
塵肺(じんぱい)は、空気中の粉じんを多量に長期間吸い続けることによって起こる肺機能障害ですが、その中で石綿肺(せきめんはい)と呼ばれるものがあります。アスベストの繊維を吸い続けたせいで肺の組織に異常が生まれ、呼吸機能が低下する病気です。

発がん性もある

アスベストには発がん性があることでも有名です。直接的なメカニズムは解明されていませんが、アスベストを吸い込んでしまう環境下で長期間の労働をしていた人の肺がん発症率が高くなることが確認されています。
しかし、発病までの潜伏期間が長いせいで、発症した時にアスベストによるものと断定しにくく、過去のアスベスト環境下での労働により、労働者が肺の健康被害を雇い主に訴えるという訴訟は今も続いています。

更に沢山の健康被害がある

上記以外にも、中皮腫、間質性肺炎、良性石綿胸膜炎、びまん性胸膜肥厚、胎児への影響など様々な健康被害が存在します。独立行政法人環境再生保全機構が、アスベストの健康被害についてデータをまとめていましたので、ご紹介します。

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アスベスト(石綿)による健康被害の実態 引用元 https://www.erca.go.jp/asbestos/what/higai/jittai.html

アスベストの規制と法律

アスベストが甚大な健康被害を及ぼすことが世界で問題視されはじめ、日本も遅ればせながら対策を検討しはじめました。1975年には吹き付けアスベストの使用禁止が決定し、段階的に少しずつ規制が整えられ、現在では全面使用禁止となっています。
法律で使用を固く禁止されているのと同じように、かつてアスベストを使用して建設された建物を解体する際にも、アスベストの飛散を防ぐための規制が細かく定められています。
その詳細は以下のサイトで確認できます。

 

目で見るアスベスト含有建材

では、アスベストは具体的に建物のどんなところに使用されてきたのでしょうか。
一般住宅でいえば、屋根や外壁、室内壁の石膏ボード、床材、駐車場の天井など、あらゆる箇所で使用されていました。
画像引用元 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/01/010425_3/01.pdf

スレート屋根・カラーベスト・セメント瓦

スレート屋根・カラーベスト・セメント瓦

屋根を作る材料には、洋風住宅に使うスレートと、和風住宅に使う瓦があり、そのどちらにも、セメントやアスベストを混ぜてより丈夫にした建材製品があります。また、スレートに塗装をしたものをカラーベストと呼びます。

サイディング

サイディング

アスベストを混ぜたボード状の外壁材です。

Pタイル

Pタイル

一般住宅よりも、ビルで多く使われてきたプラスチック系床材です。1986年くらいまでは日本中のほとんどのビルで使用されています。

石膏ボード

石膏ボード

内装材として使われる石膏ボードにも石綿が含まれていた時期がありました。

内装吹付け材(バーミキュライト・パーライト)

内装吹付け材(バーミキュライト・パーライト)

結露防止、断熱材、吸音材として、内装に吹き付けられる素材です。戸建て住宅には少ないものの、ビルや公共施設などで多用されていました。

天井吹付け材(石綿含有ロックウールなど)

天井吹付け材(石綿含有ロックウールなど)

鉄骨耐火被覆材・天井内壁断熱材・機械室吸音材・結露防止用材などの様々な用途で利用されていました。立体駐車場などでも目にすることができます。

保温材(配管エルボ、ボイラー等)

保温材(配管エルボ、ボイラー等)

ボイラー室・タービン・プラント設備などのダクトやエルボ部分の保温を目的として利用されていました。

煙突用石綿断熱材

煙突用石綿断熱材

煙突の断熱材としても使われていました。焼却炉や先頭などを解体する際に見られることが多いです。

他にも様々な健在に利用

代表的なアスベスト含有製品である上記以外にも、配管をつなぐ接着剤に混ぜられていたり、駐車場の防音材になっていたり、アスベストは非常に多目的に使用されてきました。
アスベストが使用禁止になる前に建てた建物で、そのどこにアスベスト含有製品があるのかを調べるには、以下のサイト等で詳細を確認することができます。

アスベストとロックウールの違い

基本的にロックウールは無害

ロックウールはアスベストとよく似た材質のため混同されることがありますが、綿あめを作るように熱と遠心力で玄武岩などの天然岩石を人工的に綿状にしたものです。
ロックウールは日本語に訳すと『岩綿』となるので、アスベストと誤解される人も多いようですが、アスベストのような健康被害はありません。建材として万能だったアスベストの代替品として使われています。

過去には石綿含有ロックウールも存在したため要注意

なお、アスベストが全面使用禁止になる前は、ロックウールとアスベストが混合された建材も存在しました。アスベスト使用可能な時期に建てた建物でしたら、先述したサイト等で確認してみましょう。

アスベストの見分け方

アスベストにはレベルがある

アスベストには、その飛散の量を示すバロメーターとして『レベル』というものがあります。
アスベストを使用した建材にも、石膏などに混ぜ込まれているもの、高い濃度で天井にむき出しで吹き付けられているものなど、非常に様々な形態があります。
その形態によって、人体に悪影響を及ぼす繊維が浮遊する量は違います。それを計るものさしとして、アスベストの飛散レベルは3段階に分かれています。

アスベストレベル1(発じん性が著しく高い)

アスベストレベル1

建材の特徴

最も飛散レベルが高く、扱いや撤去には厳重な対策が必要なのがレベル1です。吹き付けアスベストがこの代表で、私達がよく見かける場所としては駐車場の天井に見える灰色の綿のようなものがそれです。建築物に、アスベストとセメントを混合した状態で吹き付けられており、固まると綿のような状態になります。アスベストの濃度が非常に高く、撤去する際に大量に粉末が周囲に飛散します。

使用個所

耐火建築物の梁や柱、エレベーター周り、ビルの機械室やボイラー室の天井・壁、立体駐車場や体育館などの天井・壁などです。湿度や温度のコントロールが必要な場所、耐火建築物などによく使われています。

作業の種類

解体工事を行う際には、建材の除去作業を行います。また、取り壊しを伴わない改修工事の場合には、薬液によって塗膜を形成し飛散を防止する封じ込め工法と、板状の材料で密閉し飛散を防ぐ囲い込み工法も選択できます。

必要な対策

作業前には事前調査を行い、労働基準監督署へ「工事計画届」と「建物解体等作業届」の提出が、都道府県庁へ「特定粉じん排出等作業届」と「建設リサイクル法の事前届」の提出が必要です。作業にあたっては、お知らせの看板を掲示し周囲へ告知すると共に、湿潤化や作業場の清掃を徹底、前室の設置、負圧除じん機の設置などにより、飛散防止をすることが義務付けられています。更に、作業員への特別教育や保護具の装着も義務付けられています。

撤去費用

建物の柱や梁や天井に、石綿含有吹き付け材(アスベストとセメントの合材)が吹き付けられていた場合、除去費用は1㎡あたり1.5〜8.5万円程度(除去面積や除去面の形状によります)で、建物全体で数百万円という金額になることもあります。

アスベストレベル2(発じん性が高い)

アスベストレベル2

建材の特徴

石綿含有保温材や耐火被覆材、断熱材として配管に巻きつけられているアスベストなどがレベル2に該当します。壁や天井にこびりついているわけではない上に、シート状に巻き付けられているため、レベル1に比べると危険性は下がりますが、アスベスト含有濃度はそれなりに高く、建材自体が軽量化されていることが多いので壊れやすくなっており、飛散危険度は決して低くありません。

使用個所

ボイラー本体・配管・空調ダクトの保温材、建築物の柱・梁・壁の耐火被覆材、屋根用折板裏断熱材、煙突用断熱材として使用されています。

作業の種類

レベル1と同様に建材の除去や封じ込め・囲い込みを行います。

必要な対策

レベル1と同様に工事前の届出と、周囲への注意喚起、飛散防止、作業員の保護が義務付けられています。レベル1との違いは、「労働基準監督署宛の工事計画届出がない」、「保護具がやや簡易的なものへと変わる」等があります。

撤去費用

ボイラーの配管や空調ダクトの保温材、建築物の柱、梁等にアスベストを含むボードやシートが貼り付けられている場合、除去費用は1㎡あたり1.0〜6.0万円程度(除去面積や除去面の形状によります)です。建物全体では数百万円という金額になることもあります。

アスベストレベル3(発じん性が比較的低い)

アスベストレベル3

建材の特徴

レベル1やレベル2に該当しない、成形板等の石綿含有建材がレベル3に該当します。瓦やボードなどにアスベストが練り込まれた硬くて密度の高い成形板が代表的です。割れにくい建材なので注意をして取り外しを行えば、飛散のリスクは低いといえます。

使用個所

建築物の屋根材や外壁材、建築物の天井・壁・床などに内装材として使われる石綿含有成形板、ビニール床タイルなどです。

作業の種類

手作業を中心とする除去を行います。

必要な対策

事前調査は必要ですが、労基署や都道府県宛の届出は不要となります。また、周囲への注意喚起や建材の湿潤化は必要ですが、隔離養生や前室の設置などは必要ありません。作業員の保護具もより簡易的なものとなります。

撤去費用

レベル3の場合は役所への届出が不要で、特別な装備・設備もあまり必要ありません。作業に関しても、該当する建材を慎重に手作業でバラシ、梱包をするという程度ですので、撤去費用はそれ程高額にはなりません。30坪2階建住宅を例に挙げると、スレート屋根の撤去なら20~30万円程度、サイディング外壁の場合30~40万円程度です。

参考記事 アスベストの撤去・除去に掛かる費用はいくらぐらいですか?

アスベスト処理の流れと処分費用

アスベストの現地調査

アスベスト現地調査

まずは、撤去したい建物のどこに、どんな建材が使われているのかが分からなければ見積りも出せません。
しかし、素人目でそれが判別できるわけもなく、プロの業者に依頼することになります。
アスベスト含有建物の撤去は、作業員や施主だけでなく、その近隣にまで影響を出してしまう作業となりますので、正確な判断が必要です。
そのために、日本石綿協会が認定する『アスベスト診断士』という資格が存在します。アスベストや建材に関する多くの知識を持ったエキスパートのことです。
そのようなエキスパートが在籍するアスベスト解体業者に建物の設計図書や施工記録などから施工時期や工事内容を見てもらい、アスベスト有無の可能性を判断してもらいます。
そして現地調査に来てもらい、建物細部までしっかりとひとつひとつ目視確認したり、検査機関に出す試料を採取してもらいます。

※アスベストレベル1・レベル2の成分分析調査や撤去に対して、行政から補助金が支給される場合があります。業者に依頼するタイミングで、お住いの都道府県や市町村に「補助金はありますか?」と確認していただくと良いでしょう。

アスベストの成分分析

アスベスト成分分析

有害性の強いもの、弱いもの、アスベストにもいろいろな種類があり、解体工事をする際には、含有濃度も含めて分析をする必要があります。
現地調査で採取した試料を専門の機関で分析してもらい、その結果は役所への提出が義務付けられている書類に反映されたり、解体作業の参考にします。
解体業者が建物の素材を摂取して、専門の分析機関に調べてもらうという流れが一般的ですが、建設時期的にアスベストが含まれている可能性はある、でもいきなり業者に来てもらうのはちょっと…という人は、自分で分析機関に試料を送ることもできます。
分析機関の指示に従って調べたい箇所の素材を採取して、直接分析機関に送って検査してもらいましょう。
解体業者に依頼する際に、分析検査費用としてあまりにも高い金額が提示された場合にもこのように個人で検査を依頼してもいいですし、分析機関を変えてもらうよう業者に交渉するのもひとつです。

役所への届出

アスベスト役所届出

建物に使用されているアスベストの状況が分かり、その飛散レベルが1または2だった場合、解体工事に移る2週間前までに役所へ指定書類の提出が義務付けられています。
レベル1の場合は3種類の書類、レベル2の場合は2種類の書類が必要となります。その他、各地方によって条例が少しずつ異なりますので、更に必要な書類もあります。レベル3に関しては役所への届け出は不要です。

近隣への事前告知

アスベスト近隣事前告知

アスベストを含んでいる建物を解体する際には、近隣住民への配慮も非常に大切なことです。
アスベストを含まない一般的な工事では、騒音や工事車両の出入りなどへの配慮が最重要となりますが、アスベストを含んでいるとなれば、近隣住民の不安はやはり健康被害です。
環境省では、大気汚染防止法によって掲示板の設置が義務付けられており、以下のサイトに掲示の例がいくつが挙げられています。
https://www.env.go.jp/air/asbestos/man_disaster/05.pdf
その他にも、工事場所の周囲何十メートル範囲内には直接説明すること、説明が終わったら役所にその報告をすることなど、各地方によって条例が細かく違いますので、その指示に従って下さい。

囲い込み・封じ込め・除去

アスベスト封じ込め

アスベスト含有建物の実際の解体工事では、 ・封じ込め
・囲い込み
・除去
という3つの処理方法があります。
封じ込めとは、そのまま除去してしまうとアスベストの繊維が多量に飛散してしまうため、薬剤を塗って表面に膜を作ったり、繊維同士を付着させたりする作業のことです。
囲い込みは、アスベストを除去するゾーン(天井や壁など)から外部に粉じんが漏れないよう、板状の建材などを使って隙間なくぴったりと作業場所を覆うことです。
レベル1と2では封じ込めと囲い込みの両方が必要で、レベル3では建物を濡らして粉じんが撒き散らないようにしての除去作業のみになります。

積み込みと運搬

アスベストの積み込み運搬

除去したアスベストは、完全密封して最終処分場へ運搬されていくわけですが、積み込みと運搬に関しても法律で定められた手順を守らなくてはなりません。
大きく分けると、以下の3点を遵守する義務があります。
・運搬容器
・運搬車への記載
・積み替えを行わずに処分場へ直送すること
運搬するまでの仮置き場でも、それがアスベストであることを明記した掲示板を置き、運搬車にもその旨を掲示しながら運搬します。
こちらも、運搬容器の指定や報告の有無など、各地方によって定められている法律が少しずつ異なりますので、各市町村の指示に従いましょう。
環境省が定めている内容は以下のページで確認できます。
http://www.env.go.jp/recycle/misc/asbestos-dw/chpt6.pdf#search=’%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88+%E7%A9%8D%E3%81%BF%E8%BE%BC%E3%81%BF+%E9%81%8B%E6%90%AC’

無害化もしくは埋め立てによる処分

アスベスト無害化

解体された建物から厳重に密閉されて運ばれたアスベストは、認定を受けている産業廃棄物処理施設である最終処分場にて処分されます。
アスベストを無害化するには、現在では溶解炉にて1500℃以上の高温で溶かして非繊維化させる方法がありますが、非常に大規模な施設であるため、それが可能な処分場が多くありません。
そのため、無害化するための方法として溶解する以外の方法が今も研究されています。
溶解処分以外では、薬剤でアスベストが飛散しないよう安定させたり、セメントなどで固めたりしてから埋め立て処分する方法もあります。
このように手間も費用もかかる産業廃棄物の不法投棄は今も大きな問題となっていますが、アスベストの海への投棄も固く禁止されています。
環境省が定めているアスベスト等の産業廃棄物の処分方法は以下のページで確認できます。
http://www.env.go.jp/recycle/misc/asbestos-dw/full.pdf

アスベストを含む解体工事の注意点

意識が低い解体業者が多い現実

一般住宅の解体時には注意が必要

法律を守って最初から最後まできちんとアスベスト除去を行ってくれる業者がほとんどですが、そうでない業者も多数存在するのが実態です。特にレベル3においては役所への届け出も不要とあって、アスベストの飛散が危険であるという認識が低いまま散水や梱包を怠ったり、アスベストが含まれている可能性に気づきながら通常の建材として処分してしまう等の不正が横行しています。

廃棄物処理業者も結託した不正

アスベスト含有建材の不正処分は、重大な廃棄物処理法違反です。廃棄物処理業者も同罪として罰せられる内容ですので、良識ある処理業者であれば不正が疑われる建材は引き取らないのが通常です。しかし、廃棄物処理業者の中には不正を承知の上で違法な廃棄物を引き取る業者も存在しています。これは、業界の根深い問題点です。

見積時には石綿作業主任者の在籍を確認

石綿作業主任者技能講習が必須

アスベスト除去工事をする際には、「石綿作業主任者」という国家資格を持った作業員が必要です。
この主任者とは、アスベストに関する知識と、その除去方法や法律に関する知識の講習を修了し、法律をしっかりと守って安全な除去作業ができるように指示を出す者を指しています。受験資格もないので、2日間の講習と試験にクリアすれば誰でも取ることが可能です。

業者の水準を判断する上での指標

解体業をしているのにこの資格保有者がいなければ、アスベストに対する意識が低い上に、優良業者とは言えません。
そのような解体業者に依頼することは避けなくてはならないため、見積りを依頼する際には、石綿作業主任者の資格保有者が在籍しているかどうか、必ず確認しましょう。

複数社の意見を聴くことも重要

基本的には厳しい判断を信じること

不正業者が横行している現状を考慮すると、複数の業者から見積りを取って、担当者の意見を聞くことが非常に重要です。そして、一方の業者が「これはアスベストレベル3です。」、もう一方の業者が「アスベストはありません。」というように業者ごとの判断が分かれた場合には、両社に根拠を確認し、冷静な判断をすることが大切です。基本的には厳しいほうの判断をまず信じることが大切です。

金額の比較も大切

また、合法的な判断をした業者同士であっても、どんな分析機関を使っているのか、どんな処理方法を選ぶのかによって見積金額は変わってきます。
アスベストを含んでいる建築物であれば普通の解体とは異なりますので、業者を慎重に選ぶ必要があります。
現地調査をしっかりしてくれるのか、アスベスト含有率が不明な建材があった場合にきちんと試料を採取していくのかなど、見積金額以外にもそれぞれの業者の対応を見比べ、しっかり相談してから決めるのが賢明でしょう。

発注者責任が問われることも

近年問われるようになった発注者責任

かつては、アスベストを含む建物を解体しようとして業者に依頼し、もしその業者が違法な処理をしてしまっても、発注者はその責任を問われることはなく、罰せられることはありませんでした。
しかし、アスベスト処理において法律が守られないことが多いため、近年は発注者にもその責任を問うように法が改正されてきています。
参考 大気汚染防止法の一部を改正する法律案の閣議決定について(お知らせ) 平成25年3月29日

知らなかったでは済まされない

以前では、「アスベストが有りそうだけど、業者には黙っておいて、見積りや工事を進めてもらおう」、「担当者がアスベストが無いことにしてくれると言っていたから、コストダウンのためにそのまま依頼しよう」といった考えでも罰を受けることはありませんでしたが、今はそれが許されません。
費用を安くするため、無責任な業者だと知っていて依頼することができないよう、発注者にも違法行為の責任が問われるように法が改正されていますので、優良な解体業者を探すことが重要です。

まとめ

正しい理解の元で責任ある発注を

環境汚染というと自分の身近には感じにくく、無関係なことのように思えますが、人体に大きなダメージを与える原因があるアスベストは、私達の非常に身近なところにあります。
悪気が無かったとしても、「お金をかけたくないから」などという気持ちで知識を得ずに解体工事を進めてしまうことが、いつか大きな代償となり、取り返しのつかないことにも繋がります。
よく分からないから、面倒くさいからといって業者任せにはせず、自分である程度の知識を学んで、正しい理解と豊富な知識を併せ持っている業者に依頼することは大前提です。
その上で、金額面でも自分が納得できる優良な業者をじっくりと選ぶことが、アスベスト建築物を所有している責任とも言えるでしょう。

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堀口 晃司

堀口 晃司

「解体工事の匠」事業部長として、年間3,000件以上の見積書を確認し、適正金額の実現に努めている。お客様の立場に立ったコンサルティングを信条とし、解体の必要性が薄いお客様に対しては工事の延期を勧めることもしばしば。業界特有の事情にも精通し、ハウスメーカー時代に培った交渉術で業者から最大限の値引きを引き出す。

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